お客様の課題解決に向けたあくなき技術の追求。
そこに新たな機械を創造する喜びがある。

当社を知ったきっかけは、地元の石川県内での就職を考えていたときに就活担当の教授から紹介されたことでした。その後、工場見学に行き、業務用の大型洗濯機、乾燥機を見た最初の印象は、こんなに大きなものをつくっているのだということ。
そしてこの規模の工場で、これだけ大きなものを、この人数で、設計から生産まで一貫して行っていると知り、これはやりがいある仕事だなと感じました。中小企業だとある部品を製造するだけだったり、逆に大企業だと一貫生産であるものの今度は自分の業務が一部であったりと……どの会社も自分にとっては「帯に短し、襷に長し」でした。
しかし、当社なら全体を見渡す仕事ができると確信し入社を決めました。入社後、開発設計部に配属。洗濯機や乾燥機などいろんなチームのお手伝いをしながら、基本的なことを学んだ後、半年後くらいから本格的に乾燥機の開発設計チームの一員に。それ以降、乾燥機の開発設計を任されています。

自分の成長につながり、今の仕事の原点にもなっているのは、シェーカータンブラー（洗濯物をほぐす機械）開発で試験を任されたこと。難しかったのは、当社が開発する初の本格的シェーカータンブラーであり、社内に評価基準がなかったことでした。そのため自分で独自に評価基準をつくりながら評価を行いました。
最終的にはお客様の工場で、現場の作業員の方々と一緒にシェーカータンブラーから洗濯物を引き抜きながら、「この仕上がりはどうですか？」とヒアリングしながら、作業員の方々に納得してもらえるまで調整。この時初めて、お客様の要望を直接聞き、改善後、お客様に喜ばれるという感覚を味わいました。一方、これまでで最も苦労したのは、当社初の循環式のガス乾燥機の開発に携わった時のことです。
課題はガスバーナーで加熱した空気の通り道をいかにつくるか。そこで機械についている風洞の鉄板を切ったり貼ったりしながら、性能を追い求めていきました。当社の開発部隊は図面を描くだけでなく、プロトタイプの機械を自分たちで改造します。そこには自分の手でものづくりを行う面白さがあります。また、ガスバーナーの知識についてはメーカーの方に色々聞いて勉強しながら開発を進めました。2年に及ぶ期間を経て発売に漕ぎ着けた時は自分が燃焼分野の社内の第一人者に。大きな成功体験になるとともに、当社の先人が培ってきた技術の上に、自分が新たな技術を加える喜びを感じました。

今後は新規乾燥機開発のリーダーとして、本格的に開発設計を進めていくこととなります。リーダーとなるとこれまでと違って、「こういう機械をつくりたい」という強い思いを持って、自分の色の機械を世に出していくことが求められます。今までの経験や苦労、お客様からヒアリングした要望や課題などをいかに反映させていけるか。自分の真価が問われるのはこれからだと身を引き締めています。
今は新機種のアイデア出しをしている最中。市場で競争力を発揮する新機種を開発するには、今までの常識を変えていかなければなりません。今までつくってきた機械で良いと思ったら進化はないからです。常に既存機種に疑問を持ち改善する姿勢が必要で、そこに苦労しています。また、メンバーのマネジメントや生産部門や営業部門など他部署との連携も、リーダーの重要な仕事。越えなければならない壁がいくつも目の前にあります。
しかし困難なチャレンジである一方、今まで自分がやってきたことがどこまで通用するか試せる好チャンスなので期待感も大きいです。